2018年5月より、徳島県臨床内科医会の会長を務めさせて頂くことになりました、たまき青空病院の田蒔正治です。就任に当たり一言ご挨拶させて頂きます。

 私は昭和50年に日本大学医学部を卒業後、当時日本腎臓学会会長の大島研三教授の大学院医学研究科(腎臓内科)に入り、昭和54年医学博士を授与されました。引き続き、同学腎臓U班に所属し、様々な腎疾患の基礎研究・臨床活動等を行っていました。昭和57年に帰省し、徳島大学旧第一内科に所属して父と共に田蒔病院でも勤務を行いました。平成元年に病院長、平成4年に医療法人明和会理事長として臨床と経営に携わってきました。  現在、徳島県医師会理事・徳島西医師会会長、全日本病院協会常任理事・徳島県支部長、日本認知症グループホーム協会徳島県支部長、徳島県老人保健施設協議会副会長等も拝命して、地域医療・介護の発展に取り組んでいます。

 これまで関先生、近藤先生等の多くの諸先生方が徳島県臨床内科医会の基礎を築いてこられました。私も2014年から四宮、高橋両先生の時に微力ながら、副会長として会の運営に携わって参りました。

 平成30年5月20日現在の徳島県の会員数は合計209名です。年齢別では、30歳代4名、40歳代30名、50歳代42名、60歳代75名、70歳代以上58名(内、80歳代12名)となっており、若い先生を中心に数多くの先生方の入会を歓迎いたします。

 平成30年においては、医療・介護・障害福祉の3報酬の同時改定に加えて、医療計画・介護保険事業計画・障害福祉計画の3計画の見直し等が重なる「惑星直列」とも言われ、2025年の「地域包括ケアシステム」の構築に向けて稼働が始まっています。

 我が国の少子高齢化が加速し、現在1人の高齢者を2.6人で支えており、2060年には半分の1.2人で支える社会構造になると言われています。特に現在の認知症高齢者は全国で460万人、予備群も合わせると900万人で、2025年に認知症患者数は700万人突破し、65歳以上の5人に1人となり、急激な増加が見込まれています。

 徳島市においても2025年に1.6万人が予測されており、地域包括ケアシステムの認知症施策として、「新オレンジプランに基づいて、認知症になっても地域の中で暮らしていける環境」が提供できる体制を支えていく必要があります。このためには認知症サポート医の活躍により、かかりつけ医と認知症初期集中支援チームとの連携がますます重要になってきます。

 このような社会環境の中で、本年4月の診療報酬改定は全体改定率▲1.19%(診療報酬本体+0.55%、介護報酬改定率+0.54%)となっています。しかしながら、「骨太の方針2015」では、社会保障費の伸びを2018年度までの3年間は年5000億円の伸びに抑制され、2018年度は1300億円圧縮されています。さらに少子高齢化に伴い、ほぼ全産業の人手不足があり、看護師不足もさることながら、現在、深刻な医療介護人材不足となっており、看護介護職員の処遇改善等の現場の課題が山積しています。

 今後は医師の働き方改革を中心に、特定行為研修を修了した看護師の育成等によるタスクシフティングや女性医師等の両立支援、さらにキャリアパス体制の確立に加えて、外国からの介護人材の受け入れ、アクティブシニアの雇用、介護ロボットや人工知能AIの有効活用等が真剣に検討されています。

 2025年に向けた地域医療構想の実現のために、今年度からワーキンググループやアドバイザーによる調整会議が実質稼働されます。徳島県においても必要病床数から約3000床余りが過剰病床とされ、今後は介護医療院や在宅医療への移行が増大します。臨床内科医会としても、地域包括ケアシステム構築のための今後の医療介護施策の流れをしっかりと把握しておく必要があります。特にかかりつけ医として、在宅医療・終末期医療や認知症疾患への取り組みが求められています。

 現在、日本臨床内科医会は「かかりつけ医宣言」を発表して、「あなたの近くのかかりつけ医」検索サイトへの登録、女性の健康寿命延命を目指して「女性のミカタ」、糖尿病治療対策にJ−SELECT study、患者さんの最終段階まで支えるACP活動等への参画を求めています。

 これまで徳島県臨床内科医会は終末期医療に対し、「私のリビングウイル」の活動を行い、ホームページにも掲載して誰でもこの小冊子を貰える医療機関がどこにあるかを検索出来るようにしています。今回の診療報酬改定では療養病棟・地域包括ケア病棟、在宅医療等においてもアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の設定が必須となっており、「私のリビングウイル」が全国に広がって行くことを期待しています。

 最後に、県医師会や他団体との各種研修会、特に「かかりつけ医機能」、「在宅医療」、「終末期医療ACP」等を通じて、一層の連携を深めるとともに今年度も引き続き総会、役員会と講演会、カンファレンスを定期開催し、これからも実臨床に役立つ演題、保険診療情報の提供に努めていきたいと考えています。

 今後とも徳島県臨床内科医会活動に皆様のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

2018年5月
徳島県臨床内科医会 会長
田蒔 正治